多年草・宿根草

ジンジャーリリー

学名…Hedychium
和名…シュクシャ(縮紗)、ハナシュクシャ(花縮紗)
別名…ジンジャー、ヘディキウム
科名…ショウガ科
属名…シュクシャ属(ヘディキウム属)
原産国…熱帯アジア
花色…白、オレンジ、黄、赤、ピンク、複色
草丈…80㎝~200㎝
日照…日なた(夏は半日蔭)
難易度…星
USDA Hardiness Zone:8 to 10

ジンジャーリリー(ヘディキウム)とは

ジンジャーリリー(ヘディキウム)

ジンジャーリリーは、東南アジアを中心に中心に70~80種が分布するショウガ科の球根植物です。
主に栽培されるのは、美しい花を咲かせるコロナリウム種(Hedychium coronarium)やコッキネウム種(H. coccineum)、カルネウム種(H. carneum)などの原種の他、種間交雑によって作出された園芸品種です。

日本へは江戸時代末期に薬用として渡来し、独特の美しい花を咲かせるため観賞用として栽培されるようになりました。
現在流通する数多くの園芸品種は、香川県の育種家小山実一氏の手によるもので、100種以上の品種が作出されています。

ジンジャーリリーは単に「ジンジャー」とも呼ばれます。
ジンジャーというと一般的にショウガの事を指しますが、園芸上はショウガ科ヘディキウム属の事を指します。
薬味でお馴染みの「ショウガ」はショウガ属で、科は同じですが別属の植物です。
同科の植物ということで、葉や茎、根にショウガのような匂いがありますが、ジンジャーリリーは食用ではありません。
※薬用として栽培される品種もあります。

ジンジャーリリーの花期は8月~10月。
花期になると葉心から真っ直ぐに茎を伸ばし、頂部に花径6~8㎝程度の花を穂状に咲かせます。
花序の長さは15~30㎝程度になり、花は数輪ずつが緑の苞に包まれており、苞の中から一輪ずつが順番に開花します。
大きな花弁のように見えるのは雄しべが変化したもので、本来の花弁は細く糸のように垂れ下がっている部分です。
雌しべは長く立ち上がった雄しべの先端にあります。

▼ジンジャーリリーの花

ジンジャーリリー

花色は写真の黄色の他、白、オレンジ、ピンク、赤、複色。
強い芳香を持つ品種もあり、庭に甘い香りを漂わせます。

葉は先の尖った長楕円形で、縁はゆるく波打ち、茎に互生ます。
花穂を伸ばして草丈80~200㎝程度に成長します。

▼ジンジャーリリーの草姿

ジンジャーリリー

熱帯植物で寒さにはやや弱い性質ですが、マルチングなどの防寒対策を施せば暖地での冬越しは可能です。
冬場は地上部を枯らして休眠します。

ジンジャーリリーの主な品種

ハナシュクシャ(Hedychium coronarium)

ジンジャーリリー

インド、タイ、ネパールなど東南アジアに分布するジンジャーリリーです。
草丈1~2m程度に成長し、白い花を咲かせます。
ホワイトジンジャーとも呼ばれます。

ベニバナハナシュクシャ(H. coccineum)

ジンジャーリリー

中国南部、インド、ヒマラヤ、インドシナ半島などに分布するジンジャーリリーです。
草丈1~1.5m程度に成長し、赤からオレンジ、黄色などの花を咲かせます。
花には強い芳香があります。
写真は園芸品種の ‘tara’ です。

キバナシュクシャ(H. gardnerianum)

ジンジャーリリー

インド、ネパール、ブータンのヒマラヤ地方に分布するジンジャーリリーです。
淡い黄色の花弁に赤い雄しべが特徴で、草丈1.5~2m程度に成長します。
花には強い芳香があり、花序は大きなものだと50㎝にも及びます。

他にも数多くの園芸品種が流通しています。

ジンジャーリリー(ヘディキウム)の育て方

ジンジャーリリーの育て方

栽培環境

日当たりが良く肥沃な土壌を好みます。
乾燥には弱い性質なので、保水力のある土地で、夏の間は午後から日陰になるような場所が適しています。

夏越し、冬越し

夏越し

夏場の乾燥を嫌います。
鉢植えの場合は、午後から日陰になるような半日蔭の場所で管理します。
庭植えの場合は、乾燥しすぎるようなら株元に敷き藁や腐葉土を被せて乾燥から守って下さい。

冬越し

暖地の場合は、地上部が枯れたら地際から刈り取って、盛り土をしたり敷き藁や腐葉土で覆い、防寒対策を施して下さい。
その他の地域の場合は、掘り上げるか室内で管理した方が安全です。
球根の掘り上げは葉が黄色く変色し始めた頃に行います。
掘り上げた球根は、湿らせたバーミキュライトやおがくずなどに埋めて、凍らない場所で保管して下さい。
大きな根が邪魔になるかも知れませんが、古い根は切り落とさずそのまま保管します。

水やり

庭植えの場合は、雨が降らず乾燥が続くようなら水やりを行います。
休眠中の株には水やりの必要はありません。

鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
休眠中は乾かし気味に管理します。

肥料

庭植えの場合は、元肥として用土に堆肥や腐葉土を多めに混ぜ込んでおきます。
追肥は5月~10月の生育期に、緩効性化成肥料を月に1回程度、置き肥します。

鉢植えの場合も同様に、生育期の間は緩効性化成肥料の置き肥をして下さい。

植え付け、植え替え

適期は4月~5月です。

植え付け

庭植えの場合は、株間30~40㎝、覆土は球根の頂部から3㎝程度で植え付けます。

鉢植えの場合は大きく育つので、最低でも6号鉢以上の大きさの鉢に、5㎝程度の覆土で植え付けて下さい。
鉢が小さいと成長が阻害されて花が咲かないことがあります。

植え替え

庭植えの場合は、株が増えているようなら4~5年に一度、分球を兼ねて植え替えを行います。
鉢植えの場合は毎年植え替えを行って下さい。
いずれの場合も、掘り上げた球根は根を切ったりせず、乾かさないように速やかに植え付けて下さい。

花茎切り

花が終わったら花茎を切り取ります。
放置しておくと結実して、養分が種に取られてしまいます。
翌年のためにも球根にしっかりと養分がいくように、終わった花茎は切り取って下さい。

増やし方(分球)

分球で増やすことが出来ます。

分球

適期は4月~5月です。
球根を掘り上げて、1つの球根に2~3芽が付くようにナイフ等で切り分けて植え付けて下さい。

病気、害虫

病害虫の発生はほとんどありません。

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